あるステアリングの、その後。

先日、ちょっと嬉しい出来事がありました。

2025年の春、あるお客様のMiniを当店で買い取りました。

そのMiniは、もともとご主人が乗っておられたクルマでした。

ご主人は10年ほど前に亡くなられ、

その後は息子さんが引き継いで乗っておられました。

ただ、お子さんも大きくなり、

家のワゴン車との2台持ちはなかなか大変。

車検も通さないまま、3年ほど保管されていたそうです。

「このままではきりがない」

そう考え、悩んだ末に手放す決断をされ、

そのMiniを当店が買い取らせていただきました。

そのクルマには

モトリタのレザーのステアリング が付いていました。

販売する際にはノーマルのステアリングに戻すため、

そのステアリングを取り外しました。

その時、ふと思いました。

このステアリング、

もしかしたらご主人がずっと握っていたものかもしれない。

クルマ好きの方なら、

クルマを手放してもステアリングだけは外して次のクルマに付ける、

ということもよくあります。

形見として残しておきたいと思われるかもしれない。

そこで息子さんにメールを送りました。

「もし形見として必要でしたら、取りに来てください」

ですが、その後お返事はありませんでした。

それからしばらくして、

Aさんがよく行かれている居酒屋の大将、Cさんが店に来られました。

その時にこの話をすると、

「機会があれば渡しておきますよ」と言ってくださったので、

ステアリングをCさんに託しました。

そして今朝、Aさんがご来店。

実は昨日がご主人の13回忌だったそうです。

親戚一同が集まり、その席はCさんのお店で開かれていました。

その場でCさんが、このステアリングをAさんに手渡してくれたそうです。

そしてMiniの話やステアリングの経緯を聞き、

息子さんもAさんも、親戚の方々も、皆さん涙されたそうです。

ちなみに、息子さんは私のメールに気づいていなかったそうです。

なんだか出来すぎた話ですが、

こんなこともあるんだなと思いました。

Miniは次のオーナーのもとへ。

そして、ご主人が握っていたであろうステアリングはご家族の元へ。

それぞれ、あるべき場所に戻ったような気がします。

そして何より

Cさん、Goodjobです。